トップ画像   
HOME > 支部概要
技術開発
             
プログラム (基礎工学に基づいた簡潔)負荷計算


いきさつ
 4年ほど前、若くて優秀な農業経営者支援の話。総ガラス貼りで高さ6mを超え、1ha規模2棟 のオランダ式植物工場の空調設計の依頼。
オランダは温室技術先進国で花の輸出は世界シェアの55%程に もなる。設計の条件は90℃を超える廃温水の有効利用と、あまり例の無い夏季の冷房であり、究極の目的 は日本農業の発展、競争力を向上させることにある。従って、一切の無駄、余裕などがあってはならない。

当然ながら空調技術で蘭学に遅れをとる訳にもいかない。温水の利用は高温水システムのブリードイン、 配管熱応力のセントロイド法など親しんだ手法が使え楽しめるが、冷房負荷の日射熱について本格的に結論を出す必要に迫られることになる。 少なくともベテラン空調技術者は一般空調に用いられる800w/m2hを超える日射熱を信用していない。
 当地の日射量についてはデータが豊富な米国空調系協会(ASHRAE)の2013年版14章の計算手法で算出することにした。 ここで実感として温室が夏並みの温度になるのは外気が10~15℃程度の時期。つまり室温を外気温より20~25℃程度高い 温度に暖房する程度の熱量に相当する程度とわかる。 更にガラス貼りの温室を上空から見れば丸見えであり、 熱についても同様に宇宙空間に放熱していることがわかる。もう少し詳しく述べると葉っぱは日射で 焼けなければ良い。植物は0.4μm~0.7μmの波長を認識し、このうち必要の無い波長(緑色)を反射し 残るエネルギーを吸収、化学エネルギーとして光合成を行う。次に0.7μm以上の波長の熱線について は葉の裏側から水分を蒸散させて、葉の温度上昇を抑え、地中から水分を吸収するメカニズムとなっている。 周囲の空気がこの蒸散作用に十分な状態であれば焼けることは無く、この蒸散作用から得られる熱量 も参考とした。
 本題に戻ると、この時に用いた太陽からの熱量は水平面においては従来一般空調で認識していた数値の20%程であり、計算値通りの結果を得た。 (ASHRAE2013-14章におけるEdに相当する)しばらく公表を留めていたが、 一般空調においても極めて重要なことであり、この事実を元に何処かの組織、協会が纏め上げてほしいと考えた。 しかし、そのそのような組織を短期間に作るのは容易でなさそう。従ってこの
1年ほど理論付けをする事にした。 従来の”843w”に慣れた人に提言し、理解を得たとしても、現在これを前提に負荷計算手法が浸透し ている以上、円滑に実熱量を元にした算定手法に移行させるには、同時に一応の計算プログラムを用意しておく必要もある。 更に従来手法について検証し、納得できる説明をしておく必要もある。
  実はこの過程において、スタートが誤りゆえ様々な疑問点、副作用が表面化。一方で基礎工学に基づく見直しは事実ゆえに 新たに面白い副産物を見出すことが出来る。 この太陽日射熱見直し提言は決して新理論などではなく、戦後の教材に紹介されたものばかりであり、 全て基礎工学に基づく。強いて違いを探せば輻射面のある壁からの侵入熱は無風時に最大となる事と空気中に相当(実効)温度などは存在しない理論程度で当然のことである。但し、物性値については精細な数値を用いる。
  方や従来方式は熱伝達率などの考え方が19世紀のニュートン力学であり、光エネルギー=熱エネルギーの 考え方は20世紀初頭から始まった量子力学の理論を反映していない事になる。 基礎工学手法を普及させることで、実務を行う技術者の手間を軽減し、負荷計算結果を実感できる。
 究極の目的は技術者が単純、長時間作業をするのではなく、手元に計算ツール(武器)を持って、一般需要者に応える事。
今やパソコン時代、扱いやすく、精度の高いものである事。

 手始めに”負荷計算”  更に機器選定の為の”流体抵抗計算”、
”空気線図”による空調機器チェックなど。で余裕が出来れば
基礎知識も向上する。

intro紹介
植物施設計算例
学校教室負荷試算


基礎工学手法に興味のある方
BSサイト(PUBLIC-1)へ
                         

returntop_btn
  
    
Copyright (c)  JabmeeC / BSreinetsusekkei Co. Ltd./ All Rights Reserved.